PMC、アートクレイシルバー銀粘土に関する疑問や知識、作り方やモールドの使い方についての疑問にお答えします。
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 銀粘土によるシルバーアクセサリ制作に関する質問にお答えします。

☆銀粘土(PMC、アートクレイ)について

No.質問の内容質問に対する答え
銀粘土とはどのようなものですか?

銀粘土はシルバー(銀)をマイクロパウダー(微細な粉)のような状態にしてから可燃性のバインダという物と水を混ぜて粘土のようにした物です。また、ゴールド(金)を素材にした金粘土もありますが非常に高価です。 

銀(金)粘土は、出来上がった作品を600℃から800℃位の熱で陶芸のように焼きこむことで完成します。これを銀粘土では”焼成”と呼んでおり、この焼成が完了するまでの作品は土粘土のように割れてしまいますが、焼成後は正しく製作された作品は簡単には割れません。むしろ、純粋の銀は柔らかいので銅などを入れたスターリングシルバーのように合金を作らなければなりませんが、銀粘土の場合はいわば鋳物のような硬さがあります。

作品が焼成されるまで、陶磁器用の陶芸粘土と区別ができないくらいよく似ています。また作品を製作し完成させる過程もよく似ています。

彫金は原型をワックスなどで作成し、その原型を基にゴム型を作った後にそのゴム型で複製ワックスを作り、その複製ワックス型を基に石膏で再度鋳込み用の型を作り、その型に溶かした銀を流し込んで作品完成となります。

銀粘土では彫金における最初の原型をそのまま焼成することによって作品ができあがりますから、手間も機材も圧倒的に少なくて済みます。

また、彫金の素材は銀と銅などが混ざった合金ですが、銀粘土は焼成後にはほぼ純銀(99.9%)です。彫金の銀に銅やすずを混ぜるのは主に強度の問題を解決するためでしょうが、銀粘土はほぼ純銀ですから感覚的には柔らかいもの思われがちです。鋳造は銀そのものを熱で溶融した素材を型に流し込むのですが、銀粘土の焼成は金属の粉末を熱で焼き固めるイメージですので、その時に更に圧力をかければさらに良好なものを作ることができます。

金属には鋳物にしたときや焼結したときなどは通常の素材に比べて概ね”強度は増す”ものの”もろく割れやすい”という特徴があります。銀粘土の作品も焼成では圧力もかけませんからさらにその傾向が強まっている特徴があります。

しかし、銀粘土はこの特徴を逆手にとって作られているわけです。銀そのものは柔らかいものですが、焼成(焼結)することによって硬く強度がでているのです

このため、通常、純銀ではできない指輪やペンダントが作成できるのです。

焼成(焼結)による作品創りで最も重要なことは、焼結前の素材が均一であることです。作品に皺があったり、接着不良があったりするとその部分の焼結が不完全になり焼成後に破断してしまいます。銀粘土の作品作りで最も多いトラブルはこの作品の割れですが、それは焼成前の皺や接着不良によって発生します。 何度も言いますが、このような不具合のない銀粘土の作品は非常に強度があり、輝きは金属で一番なので、スターリングシルバーとは比較にならない程美しく落ち着いて輝きます。

 

どんなメーカーがあるの?

現在、銀粘土と言われる物には、三菱マテリアル製のPMCと相田科学のアートクレイシルバーの2種類が存在します。

現在市場で使われている銀粘土は、アートクレイシルバーの方が若干多いようです。元々の発明は三菱マテリアルのPMCですが、製法・成分が異なるために別製品となっています。銀粘土の特性は少し異なりますが粘土のように造形し焼成することによって固まるという性質は同じです。

三菱マテリアル製のPMCは大メーカらしく、マイクロパウダーを銀塊から製造し銀粘土を製造していますが、相田科学のアートクレイシルバーはXレイ(レントゲン)のフィルムなどの銀粉を再生し製造しているようです。 

 

粘土の種類は?

銀粘土には造形や用途によっておおかた次の4種類に分類できます。

1.造形用銀粘土 :作品のベースを作成する銀粘土です。通常使う銀粘土で、陶芸用特に磁器のようなものに使用する粘土に非常によく似ており、銀粘土を焼成するまでは区別がつかないくらいです。それでも、銀粘土の方が粒子が細かいので滑らかに感触があります。

2.ペースト銀粘土:作品の接合を行うために用意されたペースト状の銀粘土です。少量ならば、造形用の銀粘土を水で薄めて代用する事も可能ですが、焼成時に接着部にひび割れがでたりする原因になることもあります。

また、焼成前の作品の微小な部分の修正に用いることもできますが、盛り付けに用いることはできません。

3.シリンジ銀粘土:文字や文様を描くために注射器のノズルのような容器に入れられた銀粘土です。ペースト粘土よりもやや硬く、注射器のように押し出して使うので少し慣れが必要かも?とにかく、力加減が難しいですね。

糸状に出てくる銀粘土を利用して網状の作品を作ることもできますし、造形用、シート銀粘土にもよく接着します。

4.シート銀粘土 :紙のような形状につくられた銀粘土です。折り紙のような使い方ができます。シート銀粘土自体は互いに接着しません。接着には、ペースト粘土を使用しないとできません。 

 

メーカーによる違いはあるの?

三菱マテリアル製のPMCと相田科学のアートクレイシルバーの違いは主観的なものかもしれませんが以下のようものです。

1.PMCの方が乾燥しにくく、乾いても折れにくい

実際にPMCは自然乾燥のみならば、乾燥後の曲がりを手で修正できる場合があります。これは、銀の粉末をつなげているバインダと呼ばれる可燃材料の形状によります。

アートクレイの場合は、乾燥後は形状の修正はできませんし、折れてしまうことになります。

2.アートクレイシルバーの方が収縮が若干少ない

実際に同じ当店のクロス型で実験した結果では、同じ時間で焼成した場合アートクレイシルバーの方がPMCよりも2~3%収縮が少ないと思います。大きな作品ではアートクレイシルバーの方が一回りサイズの大きい作品になります。

3.作品を創るときにアートクレイシルバーの方が乾燥しやすく、水を多く使い創りにくいく、面がやや荒れる傾向にある

アートクレイシルバーの製作者は水を多めに使う傾向にあるようです。それは乾燥が早く硬くなりやすいからかも知れませんが、それよりも水を使うことで作品の表面が滑らかになるような感じがするからのようです。

製作者の一人としての主観のようなものかもしれませんが、水を多用することはPMCであれ、アートクレイシルバー銀粘土であれあまり好ましいことではありません。というのも、以下のような理由からです。

a.作品が乾燥すると逆に表面が荒れて、焼成後も汚い。面を均す目的ならば、作品が乾燥してからスポンジやすりや紙やすりを使用したほうが圧倒的に仕上がりがきれいです。

b.焼成後の銀粘土の強度に不安が生じる。特に水を多く使い柔らかくなった銀粘土は焼成しても元の強度にはなりません。やはり、PMC、アートクレイシルバー銀粘土製品の取り出し時の強度が最も高く、仕上がりもきれいです。 

つまり、あまりこねすぎないこと(皺を作る)と水を多用しないことが、作品を綺麗に仕上げ、強度も良好にするということになります。初心者の方は、銀粘土を取り出したら捏ねずにそのまま使用することが一番良い方法なのかもしれませんね。

 

 どのような作品が作れるのですか

粘土細工で行える造形はすべて可能ですし、彫金で行えるデザインもほぼ問題はないです。ただ、陶芸粘土と比べても非常に値段が高いのであまり大きなものは作れませんよね?(私自身は150gのスカラベを作ったことがあります。造形は大変でしたが、大きいものほど細かな細工は可能で楽しかったです。)

陶芸粘土に比べると、銀の粒子が細かいのでより細かな細工・デザインがしやすいことが特徴です。ですから、デザイン指輪やバングル、ペンダントトップ、イヤリングの飾りなど様々なものに利用することができます。

銀粘土は銀といっても焼成を行って作品が完成するわけですから、銀のみでは柔らかすぎて絶対に作れない指輪やペンダントなどが創れるわけです。銀のみの作品は非常に輝きが素晴らしいものになりますが、通常は柔らかすぎて実用にはなりません。そこで、銅やすずを混ぜた合金(スターリングシルバーなど)を素材として使用し強度をつけた実用品が作られているわけです。市場で販売されているシルバー作品といわれるものは概ねスターリングシルバー(シルバー925)が使われているのです。ただし、外国産のシルバー作品以外の日本製のシルバーの大半はロジウムなどのメッキが商品に施されていることを一般の方々にはあまり知られていません。

余談ですが、日本製のシルバーの大方(女性用)はベースがスターリングシルバーでも要するにメッキ品です。ヨーロッパでは銀は貴金属としては品に勝る時期が長かったので、シルバー製品にメッキを行うようなことがないのが普通です。これはシルバーの黒変を嫌う日本ならではの状況ですから、通常はヨーロッパ産のシルバーは年月とともに黒ずんできます。また、男性用の比較的大きなシルバー製品はそのようなメッキを行わす、逆にいぶしを多用しますのでメッキ品はないのが通常です。逆にメッキのあるものは安物のまがい物が多いのが現状です。

銀は金に比べて今日では価格が安いこともあり、比較的大きなアクセサリなども制作が可能なのです。小さな作品よりもボリュームのある作品にこそシルバー作品の特徴が出ますよね。アクセサリだけでなく、フィギュアや根付けなどの作品作りにも向いています。

 もしよろしければ私の作品がWHAT’S NEWにありますのでみてください 

 

 6銀粘土に石は使えるの?

銀の作品に石が入ることは作品作りに幅が出てきます。同時により豪華になったり、ダイナミックになったりします。

デザイン用の石には、以下のようなものが考えられます。

1.天然石: 旧来の宝石のあたるもので、天然の石由来のものです。トルコ石、ルビー、サファイア、ダイアモンド・・・数え上げればきりがありません。概ね熱に弱く変色や変成ということが起こるので焼成を行うことはできません

2.合成石: 主に工業用途に製作されましたが、反射率、硬度、着色性、価格性、熱耐性などのすぐれた一面があります。宝石しての価値はあまり認められていませんが、透明な輝きはダイアモンド以上ですし、さまざまな色の合成石があり、装飾用の石としては誠に美しく手作り作品には最適です。

このように、天然石は熱に弱いので銀粘土で使用する場合は、作品が完成してからということになります。合成石の場合は概ね1000℃くらいの熱では変成しませんから、銀粘土と一緒に熱をかけても良いということになります。銀粘土の焼成と同時に焼成する場合は合成石を使用しましょう。

合成石を使用する利点は、質問8にも関連しています。そちらも参照してください。

銀粘土モールド 又は 型ってなに?

モールドというのは、銀粘土を型抜きするために作られた型です。モールドの凹の中に銀粘土を詰めるとモールドの凹の形状と同じ凸のものができます。

モールドによって型抜きされたものの一部は、そのままでも作品として楽しめるものもあります。ですが、作品ベースやデザイン部品として使っていただけるとお客様の作品デザインの幅が広がっても良いと思います。

実際の使い方は、当店の説明にある  1.クローバトップの作り方2.クロム風クロスの作り方3.フクリン留め石枠の作り方4.和柄プチトップの作り方等の説明を参照してみてください。

モールドの材質はメーカ毎に若干異なっています。ゴム質のものもあればシリコンと謳っているものもあります。当店のものは高級純正シリコンを素材として作られていますので、型抜けがよく仕上がりの良さを体験できると思います。

当店販売の銀粘土モールドは全てオリジナルのものばかりです。もともと、銀粘土の製作者である私は石枠を手作りしていましたが、初心者では非常に難しいと感じ、石枠モールドを製作することから始め、和柄やペンダント枠などを発表してきました。

経験者ならばわかると思いますが、石留めの石枠を銀粘土で製作することは本当に大変なことですし、スキルも必要とされます。銀粘土製作者は、タガネ打ちによるフクリン留めはほぼ経験がないので、通常はやや大きめに石枠を作って焼成した後に石を接着材で留めているようです。

また、当店のモールドは銀粘土用と謳っていますが、高級素材でできていますから、型入れ素材はなんでもかまいません。ブラスチック粘土や石紛粘土などでも利用できますのでお試しください。

特に石留め枠は実用新案が得られた当店オリジナルなものです。東急ハンズやごく一部の特約販売店で販売されてきたもの以外は、複製されたもの(違法なのです)が多くて困ってます。  当店以外で販売されている石枠モールドは、(株)ユニコフ製品と表記のないもの又は当店から出荷されないものは不正販売品ですのでご注意ください。

石枠はなぜモールドを用いると良いの?

簡単に銀石枠を使う方法はないの?

銀の作品に合成石が入ることは作品作りに幅が出てるだけでなく、より豪華でダイナミックな作品になったりします。

銀粘土におけるデザイン用の石は、天然石や合成石のいずれでもよいのですが、同時焼成を考えるならば合成石以外には選択肢がありません。

天然石は熱に弱いので銀粘土で使用する場合は、作品が完成してからということになります。合成石の場合は概ね1000℃くらいの熱では変成しませんから、銀粘土と一緒に熱をかけても良いということになります。銀粘土の焼成と同時に使用可能になります。

そこで、合成石を作品に配置しようとする場合には、次の二つの方法が考えられます。

1.既成の銀(925)枠か純銀板を用いる場合

 純銀板を用いる場合は、銀板(0.7mm程度)を円筒または楕円状に石よりもやや大きめに製作して銀石枠を作ります。この方法はフクリン留めを行う場合に有効な方法で、銀枠を銀粘土の作品に配置したまま焼成した後、この銀枠の上方をつぶすことで石を留めます。この方法は天然石でも石留め可能です。

 銀枠を用いる方法は予め枠ができていますから、その銀枠を銀粘土の作品に配置したまま焼成します。焼成後、この銀枠に石を留めます。ですから、この方法は天然石でも石留め可能ですし、デザイン枠もありますから非常に便利です。

ですが、ここで一つ大きな問題があります。それは銀粘土の焼成時の収縮についての問題です。銀粘土は、焼成するときにバインダーが燃えることで作品全体が収縮します。ところが、石留めの銀枠は銀粘土と違い収縮しませんから、焼成時に銀粘土作品の収縮時にストレスがかかってしまい、作品自体を変形させたり、最悪の場合破損させたりします

2.銀粘土モールドを用いて石型枠を作る場合

 当店の銀粘土モールドの石枠型は上記1.の欠点を解消しようとして製作されたものです。また、同時に銀粘土の焼成時の収縮を利用して石留めをしようと考えられた実用新案特許品です。

もともと、銀粘土の講師である店長(私)が石枠を銀粘土で自ら作る方法をインストラクター講習で教えている時でさえ、まともに作れるインストラクタがいないことに気づき、これでは銀粘土を楽しめないと感じたため、このモールドを発案することになったというわけです。

当店のモールドで作られた銀粘土の石枠は、皆様が創られた作品に銀粘土やペースト粘土で接着するだけで良いのです。同じ銀粘土で作成されているので変形・破壊といった不具合は一切発生いたしません。唯一注意が必要なことは接着をしっかりと行うこととサイズを間違えないことです。

そうして、作品を焼成するときに、合成石を石枠の内に配置したままの状態で通常の焼成作業を行ってください。そうすれば、面倒なタガネ打ちの石留め作業も接着剤の貼り付け作業も何もしなくても合成石は石枠に留まってしまいます。具体的な使用法はフクリン留石枠作り方を参照してください。

微妙な銀粘土の収縮によって石留めが完了するように設計されています。

当店以外で販売されている石枠モールドは、(株)ユニコフ製品と表記のないものまたは当店から出荷されないものは概ね不正販売品ですのでご注意ください。(株)ユニコフは当店とは兄弟会社で、主に新製品の開発を行っております。

 

 焼成に電気釜は必要でしようか

 結論からいえば、必須ではありません

銀粘土は種別にもよりますが、650゜C~850゜Cで25分~7分位の間高温状態にして焼成をすることで銀粘土のバインダが燃えて、ほぼ99.9%純度の銀の固まりになります。

要は、銀粘土の焼成は特定な温度環境に所定の時間だけおいておけば良いのです。ですから、この条件に合えば家庭のガスコンロでも十分焼成ができるわけです。

ただ、注意が必要なのはその温度で、ガスコンロで行うと作品の温度が銀の融点(961.93゜C)を超えてしまうことがあり、作品が焼成すると同時に融けだしてしまうことになります。そこで、ガスコンロなどで銀粘土を焼成する場合には、コンロの火を強ではなく中くらいで作品が真っ赤に光っているような温度になるように自ら調整する必要が有るのです。(実際には周囲を少し暗くしないと赤く光っていることは確認できませんが。。)

電気釜は加熱温度と時間の設定ができるので、作品が解け出すことは無いので大変便利ですが、とにかく値段が高いですね。

私の場合は、全てガスコンロで焼成を行っています。それは主に焼成の時の変形を修正するためなのですが、それだけでなく焼成後の強度が増すことと、焼成後の銀の光沢が良いように感じるからです。それに、費用もあまりかからないですからね?! 

 

10 銀粘土は弱いと聞きますが。。。

銀粘土が焼成後に割れるということを耳にしますが、これは主に以下の2つの原因が考えられます。結論的にいうと銀粘土はしっかり焼成すれば硬いですが作品にできた皺の部分で割れることがあります。良くできた作品では割れたりすることとはありません。

1.銀粘土に皺や接着不良を作ったまま作品を作ってしまったとき

銀粘土は陶芸粘土のように捏ねてはいけません。捏ねるたびに乾いた粘土 同士がよく接着せずに皺のようになってしまいます。この皺が焼成時に互いの面を形成してひび割れの原因となり後で作品が割れることになります。ではどうすれば良いのでしょう?・・・

結論的にいえば捏ねないことです。捏ねるというよりも指先で圧力をかけて固めるという感じで行います。

2.焼成が足りないとき

銀粘土はいわば鋳物のようなものです。銀が溶けて固まっている訳ではありませんので、焼成が足りないと陶器の素焼きのような感じで、硬度も光沢もよくありません。

最も良いのは高温850゜Cで長時間(20~30分位)ことですが、この温度ならば6,7分でも実用硬度になるようです。経験的な話ですが、焼成温度は低いよりも高い方が、そして長く焼成するほうが出来上がった作品がきれいなように感じます。これは陶芸の場合でも同じことではないでしょうか。

しかし、注意が必要なのは、いくら長時間焼成したとしても、上記1.で説明したように作られた作品はやはり割れてしまうということです。要は作品を作る粘土の状態を良くすることが一番大切ですね。ですから初心者の方は銀粘土をこねずにそのまま使う方が良いですね。

 

 11 銀粘土は本当に強度がでるのですか

銀粘土を使用したことのない方や彫金を行っている方々からよくそのような疑問を投げかけられます。ですが、結論的には素材としての強度は十二分にあると先ず言っておきます。

銀は金と同様に展性に富む素材です。ですから、銀そのものは非常に柔らかく、外力に弱くすぐに変形してしまいます。ですから、市販のシルバーアクセサリには純銀のものが存在しないのです。その代わり、シルバー925とか965とか言われてシルバーアクセサリが売られていることはご存じの通りです。

このシルバー925とは何なのでしょうか。この問いの答は、本質問に答えることと同じなのです。要するに、市販のシルバーアクセサリを実用品として使用するための強度を得るために、所定重量分の銀に他金属(銅、粗悪品はすず)を混ぜて合金を作っているわけです。シルバー925の925は製品の重量に含まれる銀の重さを千分比(925/1000)で表したものなのです。つまり、製品が1000gならばそのうち925gが銀で、残りの75gは銅やすず(通常は銅ですが・・)といったもので占められているわけです。銀から見れば、不純物のようなものですが、これらを入れなければ、指輪はすくに変形してしまい使い物になりません。このような関係は金でも同じです。金の場合混合比の分母が1000ではなく24であることを除けば考え方は同じです。製品24g中の18gの金が入って入れば18金、22g入って入れば22金ということになります。

つまり、市販品も強度を出すためと変色を防ぐために銅を混ぜており、シルバー925が最もアクセサリには適しているのです。ですが、市販アクセサリでも時折問題となるのは製品の質についてです。出来上がったものの合金の混合比はよくわからないのと、悪い素材を使用しているために出来上がったアクセサリなどがよくないということは多々あります。

PMCやアートクレイシルバーの銀粘土で焼成された作品は、シルバー1000といってもよいくらいですからほぼ純銀なのです。ですから、磨きあがった作品の輝きは誠に美しく、シルバー925とは比べ物になりません。また、正しく焼成されたものの強度はシルバー925よりも硬いくらいです。硬いという言い方は正確ではないかもしれません。すり傷などに対する耐性は同じようなものなのですが、圧力に対する変形についてはシルバー925よりも小さいと感じます。

その意味で、銀粘土は非常に強度がでるのですが、ある一定の力以上がかかると変形ではなく破断してしまう傾向にあります。これは前にも説明しましたが焼成という性質から来るものです。しかし、通常の使用においてはこのような破断はまず起きないと思います。素材自体の強度はアクセサリなど使用では十分にでていますから、指輪に使用しても問題はありません。

破断が起きるのは、製作がうまくいっていない場合のみです。ですから、銀粘土作品の強度という場合には、製作した作品自体のでき具合(皺や分離、割れが生じたまま)でも変わってくるものなので個別の強度については明言することはできないのです。銀粘土の場合は、作品が大きなものをたやすく作れる手軽さはありますが、反面、破断を起こさせないように作成することが難しくなってきます。 

 

12モールドにシリコンスプレーやオイルは必要ですか

 当店のモールドは純性高級シリコンを使用しております。このため、半乾燥または乾燥状態の作品の離型は非常に容易です。

モールドを使用して作品を創作する場合には、型の中にある銀粘土が乾燥していない方が良い場合もあります。たとえば、リングを作成するときなどは粘土を丸い輪に成型しなければなりませんね。そのようなとき、柄のないものや曲面を使用しないような部品の場合は問題がないのですが、和柄のようにデザイン柄があり、平面でないものはできるだけ乾燥する前に手早く離型して成型する必要があります。

そのようなときに、シリコンスプレーやオイルを型の内側に塗っておき、離型を容易にさせるわけです。ですから、シリコンスプレーやオイルがすべてに必須というわけではありません。要は、作品作りを容易にするものとして便利なものなのです。

<ちょっと一言>

オイルは銀粘土用と謳われているものがありますが、代用としてベビーオイルでも可能です。しかし、一般にオイルは少し多めに塗布しないと効果が出ませんので、作品が粘ついたり表面を荒しますので当店ではあまりお勧めしておりません。

できれば、シリコン離型スプレーの使用をお勧めいたします。シリコン離型スプレーの場合は、オイルとは逆に多めに塗布してはなりません。シュッと軽くひと吹きで良いのです。一秒も吹きつけると逆に滑りすぎて型に銀粘土が収まりません。

 

13

当店のモールドを使用した作品を販売しても良いですか?

当店のモールドはデザイン・設計・製造まで全ての工程を当店で行っております。
このため、次の条件をご納得いただければモールドを使用した個人作品の販売を許しておりますが、基本的に商業的な販売に類する作品で、モールドの全部または一部を使用しているものは全て販売禁止です。

1.モールドを使用した自らの作品の一部に当店モールドの全部または一部を使用している

2.商業的な販売活動の一環として、当店モールドの全部または一部を使用した作品の販売活動は行ってはなりません

3.個人的であっても当店モールドの全部または一部を使用した作品は、ネット販売や店舗販売を行ってはいけません

4.自らが主催する展示会又は販売会でのデザイン作品販売は、例外的に認めています。 この場合、モールドデザイン部分の使用モールドと出所を明記してください。

 個人的な作品の販売に関しては、クロスやマルカン付のデザインが完成しているモールドについては、基本的に販売はできないのですが、上記4.のような場合はおそらくお客様個別デザイン作品ですのでモールドをデザインの一部部品として使用している限り、その個人作品についての単品販売は可能ということです。当然のことですが、個人作品のコピー(又は鋳造品)を販売することは商業活動なので不可とお考えください。

当店のモールドは個人の趣味で使用されることを前提に作成されており、同時に価格設定もそのような条件で設定されています。デザインも含め全て社内で新規に行っているため、ひとつのモールドを製作するために多大な時間と経費がかかっておりますことをご理解いた頂けると嬉しいです。

また、石枠モールドは私(店長)が考案した特許製品です。石枠を使用して作品を作られるのならば、キュービックジルコニアならば焼成だけで石留めが可能ですし、天然石でも少し工夫すれば使用することが可能です。和柄も同様に新規に立体化してモールド化おります。是非、ご利用くださって、作品創りをお楽しみください。

以上、誠に簡単ですがお客様からのご質問の回答とさせていただきました内容を提示させていただきました。この件に疑問等がございましたらご連絡ください。メイルまたは電話(TEL : 0532-51-1611)でも結構です。
当店モールドが作品創りのお役に立つことを期待しております。

 

 

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